真珠腫性中耳炎

近年、フレンチ・ブルドッグの飼育頭数増加もあって真珠腫性中耳炎をよく診察・診断する機会が多くなっています。

短頭種であるが故、外耳道は骨性外耳道領域で狭く、鼓室胞は狭くまた顎関節の位置からもアプローチしづらいです。

側頭骨岩様部の骨融解はよくあり、斜頸や顔面神経麻痺などはよく起こります。

顎関節に近いことから開口障害もよく起こってしまいます。

岩様部の骨融解が起こると脳と接する形になり、感染の波及や手術操作での影響も危惧されます。

当院では、もちろん完全切除を狙える場合は狙いますが、髄膜炎波及や髄液漏を危惧するケースでは、あえて減量手術に留めて定期的に減量手術を実施する安全策を取るケースもあります。圧排と感染をコントロールできれば、さらなる悪化は防げると考えております。

外耳道を残せるケースでは、VBOやVBO変法を実施しますし、残せない場合はTECA+LBOで対応しております。

感染も問題となりますので、細菌培養検査も重要です。コントロールのため繰り返していきます。

手術手技としては、顔面神経の保護、顎関節静脈の出血留意、骨性外耳道の上皮剥離、鼓室包へのアプローチなどなかなか難しい手技が多い印象です。

特にフレブルさんは鼓室包へのアプローチがやや難しいので、深さ、方向などCT検査からあらかじめ計画をしっかり練る必要があります。ある程度、慣れが必要になる手術だと思います。