紐状異物

紐状の異物が消化管に引っかかると消化管がたぐり寄せられ、特に小腸の腸間膜側に強い擦過、圧迫がかかります。

画像検査では、たぐり寄せられた腸管が確認できることもあります。すでに腸管穿孔を起こしてしまっている場合、腹水が出現してきます。

ワンちゃんと猫ちゃんで比較すると、ワンちゃんの方が死亡率は高いです。猫ちゃんでは舌下に紐状の異物が引っかかっているケースが多く、ワンちゃんでは胃内の異物が紐状異物のとっかかりになっていることが多いです。

手術方法もコツがあり、胃十二指腸を含めて、数箇所腸管切開し、テンションの掛かった紐を切断していきます。その際、決して異物の紐を切開部からテンションかけて引っ張ってはいけません。この操作によって、腸間膜側の変性している組織に穿孔が生じるといわれております。このため、複数箇所紐を切断し、なるべくテンションがかからないように紐状異物を摘出していきます。

摘出後、5分ほど待ち、腸管の色調を観察します、その際、やはり黒くなるなどの壊死していると思われる領域は、取り除く必要が出てきます。この部分は切除し、腸管の端々吻合をします。

腸管を吻合、閉創しリークチェックをし、漏れがなければ、大網パッチを掛け、ドレーンチューブを設置し閉腹します。

複数回の異物摘出で手術の実施歴がある子では、短腸症候群も頭に入れておかなければなりません。