肩関節固定術
肩関節は前肢であるため、元々の負重の割合が大きく、後肢に比べて治りが遅い傾向にあります。最近では、トイ・プードルなどが肩関節不安定症をよく引き起こし、脱臼に至るケースも多いですし、形成不全があって脱臼してしまうケースもよくみられます。
多くは、安定化術や制動ピン設置による手術が選択されます。それでも脱臼してしまう場合は関節固定術、切除関節形成術が選択されます。切除関節形成術は小型犬に限定されてしまいます。
現在は様々な肩関節固定術の方法が報告されておりますが、対側肢に合わせた肩関節の角度の設定は絶対です。多くは110°前後になります。次のポイントとしては関節面の接合ですが、最近ではTPLO sawで切除し断面を合わしたり、軟骨面を切削して軟骨下骨を露出し接合する方法など様々な方法が報告されています。
プレートのベンディングもポイントになります。あらかじめ3Dプリントした模型に合わせてベンディングしておくことは手術時間削減につながります。肩甲骨には、肩甲棘根元に45°にscrewを挿入します。さらに強度を上げるためにメインプレートの尾側にもう1枚プレートを当てることもします( Veterinary Surgery Small Animalにも記載)。肩甲上神経をかわして設置する必要があります。接合部に海綿骨移植も実施し、手術は終了になります。
合併症として、上腕骨折などが挙げられます。ダブルプレートするならば外固定は要らないかもしれませんが創傷部圧迫ができるのであれば2、3日であれば有用です。
この手術は、救済的な手術になりますので、最終手段です。適応には注意が必要です。


