肝外胆管閉塞2

掲載日:2024.01.18

猫の肝外胆管閉塞は、猫の黄疸からみつかる病気として割と多い印象のある病気です。

我々獣医師は総胆管の拡張があると、閉塞性黄疸をまず第一に考えてしまいます。しかし、実際よくあるのは閉塞性、肝性黄疸ともに生じている場合になります。以前治療した猫ちゃんも閉塞していた胆石を摘出した後も、Tbilは二桁を維持していたこともあります。胆管肝炎が併発しており、抗菌薬療法も加療し、その後は改善していきました。

やはり閉塞を起こしていても肝性黄疸も疑うべきであるし、そのおおもとは細菌性胆管肝炎だったりするのです。このため、閉塞物の緊急的な摘出は、あまりメリットがないかもしれません。

臨床徴候が、ぐったりする程の元気のなさとなると感染性の状態を想像し、閉塞物があってもまずは手術までにしっかりとした循環量の確保、TPNなど使用し栄養状態の改善が重要になってくると考えております。

手術適応はどの時点が最適か、見極めが重要です。

 

愛知動物外科病院