胸腺腫

掲載日:2023.07.09

若齢時に萎縮するものの心臓の頭側、前縦隔に存在する胸腺はT細胞リンパ球からなる免疫関連組織である。

ここが腫瘍化したものが胸腺腫であるが、胸腺上皮細胞が腫瘍化しているのかどうかなどでその様相は異なる。ワンちゃん猫ちゃんともに発生し、腫瘍随伴症候群を頻繁に発症させる。ワンちゃんでは重症筋無力症、それに伴う巨大食道症、高Cα血症がよく認められ、猫ちゃんでは重症筋無力症、剥離性皮膚炎がよく認められる。

腫瘍は外科的治療が選択可能であれば、予後は良好とされているが、前縦隔領域の手術はその手技の難易度が高いだけでなく、麻酔管理、疼痛管理の難易度が高いです。

先日は、麻酔を専門に活動していらっしゃる先生に来院いただき、麻酔・疼痛管理を実施していただきました。術者は手術に集中することができ手術も無事成功しました。

 

当院では、麻酔やリハビリなど最新の情報をその分野の専門家よりレクチャーしていただき、外科専門動物病院として、より安全で安心の獣医外科医療を提供できるよう努めております。