難治性外耳炎

掲載日:2023.06.29

外耳炎の治療として、耳道洗浄や細菌・マラセチアの感染があれば抗菌薬・抗真菌薬の投与が必要な場合があります。
ただ、こうした治療がうまくいかない場合があります、根本的に耳の構造が変化してしまい、耳道の狭窄してしまうなどしてさらに感染を助長してしまうケースもあります。

こうした場合は、外科療法があります。様々な選択肢がありますが、狭い所を解除してあげる外側耳道切除術や、水平耳道奥まで問題があるケースや腫瘍があるケース、または中耳炎も併発しているケースは全耳道切除術(+外側鼓室包骨切り)が必要となってきます。

顔面神経や鼓室包内の神経叢、大出血を引き起こす顎関節静脈など大事な部分が通っている部位になりますので、顔面神経麻痺をはじめとした合併症の発症も大いに考えられる部位になります。

 

ただ、どうしても耳の症状を改善してあげないと生活の質が落ちるケースモアありますので、外耳炎がなかなか治らずお困りの方は、一度ご相談いただければと思います。なかなか難しい領域の手術ではありますが、当院では実施しておりますのでご相談ください。

写真は外側耳道切除後、耳垢腺過形成の出現で外耳道の再狭窄。全耳道切除術実施後の摘出組織

愛知動物外科病院 丹羽