会陰尿道造瘻術

掲載日:2023.04.03

獣医師向けの話になるかと思います。

会陰尿道造瘻術はいまだに発展途上の術式であり、有効性は明らかなものの合併症が出るとかなりのQOL悪化が予想される手術です。尿道粘膜と皮膚を縫合する方法は教科書的ではありますが、細かい手術を得意とする日本人は、この方法を現在あまり採用せず、最近では包皮粘膜を利用した方法が取っています。この方法は、原理は同じもののドーナツ型や包皮を縦切りし上付き、下付きにする方法とで細分化されています。

いずれの方法も経験があるので利点欠点を説明します。

ドーナツ型(写真左)
利点:術野が大きく確保できる
欠点:包皮粘膜と尿道粘膜の縫合がやりづらい、皮膚欠損、縫合が多い

縦切り型(写真右)
利点:包皮粘膜と尿道粘膜の縫合が容易
欠点:やや術野が狭くなる、包皮皮膚の縫合のみで縫合が少ない