眼窩腫瘤

掲載日:2023.02.22

眼窩とは眼球の入る領域のくぼみであって、眼球の約90%が入り込む領域です。この領域の組織が腫脹したり、腫瘤形成があると吻側に眼球が移動し、外観上、飛び出してしまう状態になります。

眼窩の領域は、超音波検査で観察は可能ではありますが、その観察可能領域は限られてしまうため全体の評価としてはCT検査が有用です。

下のCT画像の症例は、以前眼球突出のあった子です。CT検査において頬骨腺の腫脹を確認しました。組織生検も実施しましたが、唾液腺炎という病理組織検査結果でした。消炎剤と抗菌薬療法で見た目は元に戻りました。眼窩には腫瘍の発生も多く、病理組織検査が必要になります。眼窩の発生ではなく、実は鼻腔が原発、上顎が原発であった、なんてこともあります。CT検査で全体の評価をしないと、超音波検査だけでは見逃してしまう可能性があります。今回のケースでは、限りなく腫瘍の可能性は低く、経過は良好です。

腫瘍であった場合、大きい手術にはなりますが、当院では眼窩、上顎切除も対応しておりますので、ご相談いただければと思います。

 

愛知動物外科病院