膀胱皮膚瘻形成術

掲載日:2022.11.28

ワンチャン猫ちゃんの膀胱腫瘍としては、移行上皮癌や前立腺癌といった腫瘍が多くみられる。

こうした腫瘍はリンパ節や肺、骨への転移もよく認められる。転移病変によって最終的に亡くなるケースも存在するが、排尿できなくなり亡くなってしまうこともある。COX2阻害薬やトセラニブを使用した方法もあるがそれでも排尿障害が先にクリティカルになる場合、緩和的に膀胱皮膚瘻形成を行うことで尿の排出は可能になる。排尿のしぶり自体は無くなるわけではないが、この処置によってお腹の張りが減り、幾分楽になったと意見をいただくことがある。

根治が狙えるケースでは、膀胱尿道の摘出+尿管移設術も考えられますが、すでに転移病変が存在しているケースなどでは、緩和的な方法もありだと思います。

当院では、ガストロボタンを使用して、膀胱皮膚瘻形成を行います。排尿障害が出ている膀胱癌の子たちに対して、少しでも苦痛からの解放ができる処置だと思っております。