橈尺骨骨折

掲載日:2022.01.13

近年ポメラニアンやトイ・プードルなどの小型犬が増えていることから、橈尺骨の骨折はよく遭遇する骨折になります。

原因は、長母指外転筋の影響などが謂れておりますが骨幹遠位1/3の領域での骨折が多くなっております。

この骨折は、対象の症例が小さいこと、骨折部位が遠位であると一般的なプレートの形状では対応できないこと、適切なインプラントの設置が実施されなければ癒合不全、遷延治癒、肢端が内旋して治癒すること、またインプラントの強度が強すぎると骨粗鬆が起き、再骨折や骨が消失してしまうなど様々な恐ろしい合併症が生じます。

よく遭遇する骨折ではあるのですが、実は治療は難しいと言えます。創外固定法やDynamic Compression Plateの使用などありますが、固定の強度や治療成績、その仕組みから我々の動物病院では基本的にはLocking Compression Plateを用いたロッキングシステムを使用し骨折に対応しております。

 

骨折してしまう前に、
おうちでソファー、ベッドや階段を自由に行き来する生活はリスクが高いです。多くのワンちゃん達は、これらが原因で骨折します。なるべくリスクを減らすことをお勧めします。

 

愛知動物外科病院