中心静脈カテーテル

掲載日:2021.12.18

当院では、長期にわたり食餌を採れない子達に対して中心静脈カテーテルを設置するケースがしばしばあります。中心静脈カテーテルとは、頸静脈から特殊なキットを用いてカテーテルを設置します。太めのカテーテルを設置できますので、浸透圧が高い輸液剤も血管炎を起こしにくいため投与しやすく、カテーテルの閉塞も起きにくいメリットがあります。これによりカロリーを多く含んだ脂肪乳剤などが投与でき、ご飯を食べられなくても1日に必要なカロリーを摂取することができます。特に大きい手術を乗り切るために「栄養」は、とても大切です。
(よく誤解されがちですが、一般的な点滴では1日中投与していてもカロリー、いわゆる「栄養」を1日分充分に賄うことはできません。)

 

寝ている状態(麻酔下、鎮静下)での設置となること、とても慎重な管理が必要であることはデメリットですが、圧倒的にそれを上回るメリットがあります。

 

近年では、末梢静脈栄養で1日分のカロリーを摂取する研究がされていますので、今後大きな変化があるかもしれません。いずれにしても「栄養」を欠かすことなく、1人でも多くの動物たちが無事に回復できるように我々は努力してまいります。

 

愛知動物外科病院