尿管結石
掲載日:2024.03.03
腎臓と膀胱を繋いでいる管を尿管といいます。結石が尿管を閉塞、狭窄してしまうことで、症状を示すことを尿管結石症といいます。若齢猫での発生も認められる事があります。結石の種類としては、猫の尿管結石の98%はシュウ酸カルシウムと報告されています。好発猫種としてはスコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンショートヘア、ロシアンブルーやMIXなど多種に渡ります。症状も多様で無症状なものから食欲不信・廃絶、嘔吐、沈鬱、乏尿・無尿、酷くなると虚脱、痙攣、ショックを呈する事もあります。症状に幅がある理由としては、腎臓が2つある為、片方のみで結石が詰まっている場合にはもう片方の腎臓が機能を代償してくれる為です。そのため尿管結石によって症状が出てしまっている場合、両側で詰まっているか、過去に片方が詰まってしまって機能が落ちてしまった状態で新たに逆側が詰まってしまった場合などが考えられます。
病態が良くない場合、長い時間、麻酔をかける事は非常に高いリスクを伴います。このためまずは短時間の麻酔で腎瘻チューブ設置という腎臓から直接尿の逃げ道を作る処置をします。その後、数日間点滴など内科治療をし、状態を改善してから尿管結石を除去する手術等の次のステップに移行していくものとなります。
尿管結石を除去する際に重要となってくるのは、結石の数と位置の把握となります。これらを把握することは無麻酔のCT検査でも、とても有用な情報を得られます。
愛知動物外科病院