肺の腫瘍
掲載日:2023.10.16
肺の腫瘍は、画像診断精度の上昇により、より適切な手術が可能になった腫瘍である。
肺の腫瘍は、腺癌、腺扁平上皮癌、組織球性肉腫や様々な転移所見として認められる。肺原発の腫瘍では、リンパ節転移の有無、大きさ、発咳の有無でも予後が大きく変わることが示されている。
肺は50%以上の切除により、機能不全に陥り死亡してしまう。切除が可能であるかは、CT画像検査によって、腫瘍の浸潤具合からも判断する。
摘出組織の大きさにもよるが、一般的には肋間切開にて対応する。葉によっては肺間膜を切開し、肺動静脈や気管支を適切に処理し、摘出する。摘出後は胸腔ドレーンを設置し、閉創後の気胸を管理する。摘出組織が大きい場合は、再膨張性肺水腫など合併症に気を付けてチューブを管理する。
病理組織検査を実施し病変の取り残しがないか、そもそもの組織の診断を受け、追加治療を検討していきます。
リンパ節転移がなく、取り切れた肺腺癌は、おおよそ予後は良好と考えられます。肺内転移を含めて定期的な転移チェックを術後は行なっていく予定となります。
開胸手術は、やや難易度が高い手術と思われます。適切な画像検査や手術を希望される場合は、ご相談いただければと思います。