改良型RJ包帯法

掲載日:2022.08.23

骨折治療や関節手術後の外固定方法としてロバート・ジョーンズ(RJ)包帯法は一般的に使用される方法です。厳密には、原法は幅の広い包帯を15cm程の厚さで巻くという今の時代には非現実的な方法であり、これまでの時間の流れで改良が重ねられてきました。このため現在謂れるRJ包帯法は改良型RJ包帯法なのです。

整形外科領域ではとても大切な処置となります。骨折してしまい手術まで時間が必要な場合、骨折部が動かないようにするためこの方法と取ります。RJ包帯法によって骨折部が不動化し、疼痛が減少します。また圧迫包帯としての役割もして腫脹を軽減もします。不動化は疼痛だけではなく、解放骨折を防止する意味でも大変重要となります。

あぶみ、キャストパッド、伸縮包帯、疎水性包帯を一般的に用います。近年の報告によるとワンちゃんの橈尺骨骨折に対して、治療後回外する傾向があるため、外から内に向かって包帯を巻くことに効果が示されております。膝で効果は示されていません。しかし膝蓋骨内包脱臼の治療後の場合、膝蓋骨が内側に力が掛からない様に内から外に向かって包帯を巻く様にしております。小さいことではありますが、出来ることの積み重ねが大事であると個人的には思っております。

この包帯法、不動化のためには骨折部の遠位、近位の関節はカバーしないといけません。その他にも圧迫具合、褥瘡となる部位へのケア、設置期間、衛生管理と簡単なものではありませんが、とても大切な技法です。

愛知動物外科病院