椎間板ヘルニア

掲載日:2024.12.07

寒くなってくると椎間板ヘルニアになるワンちゃんが増えてきます。頚部椎間板ヘルニアもありますが、腰部椎間板ヘルニアの方が多いです。

徹底的な神経学的検査とXrayで病変の領域は、予想できますが確定ではなく、これらの検査だけでは手術には踏み切れません。

脊柱管に造影剤を注入する脊髄造影X線検査、またはCT検査によって病変の場所を特定します。

ここで椎間板ヘルニアであった場合、様々な治療法が選択されます。

ダックスフントさんなどでよくあるタイプは、ハンセンⅠ型の椎間板ヘルニア、やや高齢になってから慢性的に生じることの多いタイプは、ハンセンⅡ型である場合が多いです。椎間板物質、線維輪の突出など逸脱したものの位置によって手術方法を最近では変えるようにしています。

腰部椎間板ヘルニアであった場合、具体的には、片側椎弓切除:Hemilaminectomy だけではなく小切開片側椎弓切除術: mini-hemilaminectomy(mini-hemi)、部分的側方椎体切除術: Pertial lateral corpectomy (corpectomy) などです。

逸脱物質が、脊柱管内腹側に限局するならば、わざわざ関節突起を切除し、安定性を減弱させずとも、mini-hemiで適切にアプローチし摘出できます(写真)。

Ⅱ型である場合は、corpectomyで対応します。

手術の技術もそうですが、いかに正確に読影するかも重要な点になってきます。

少しでもワンちゃん猫ちゃんに負担が少なく、それでいてメリットの大きい手技を選択していく所存です。