尿管結石 尿管膀胱新吻合術
掲載日:2024.05.21
尿管結石症の猫ちゃんは多く当院にも来院されます。大半のケースでは結石を摘出し、解決に至るのですが、尿管が結石の存在によって線維化し狭窄してしまっているケースもあります。ACVIMのガイドラインにもSUBという人工物を入れ解決することが選択されるケースなのですが、感染がある場合は原則使用できない状況となります(一応、感染対策を施しながら使用するケースは報告されています。)。
腎結石が残り、感染を繰り返す尿管結石症の猫ちゃんに対して、損傷、線維化した尿管を摘出し、人工物はなるべく入れたくない方針の中で、尿管膀胱新吻合術を実施しました。幸い左腎であったことから近位尿管でも実施可能でした。
膀胱は固定すると、残尿が起こりやすくなり感染を助長する可能性が言われておりますので固定せず。7-0プロリーンを用いて拡大鏡をつけて手術を実施しました。
左腎盂内の8mmの結石も摘出し、尿管膀胱新吻合術を実施し左の腎臓は腎盂拡張もなく問題なく順調に改善しました。
尿管結石摘出術(片側)
リスク:全身麻酔のリスク、尿管(膀胱)からの尿の腹腔内への漏出、感染、吻合部での肉芽組織の形成、再閉塞
費用:30万〜(手術、麻酔、入院、検査、投薬、結石分析費用を含めて)、CT検査の複数回の実施、腎瘻チューブの設置、SUBの使用、長期入院では検査が増えますので治療費は+αとなります。
2024年現在
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